『アウトレイジ ビヨンド』★★☆☆☆
2週連続で観てみて、印象としては星2つ、なのだけれど、観ている最中は至って楽しいから複雑なところである。名優たちが続々と出てきては滑稽なくらい呆気なく死んでいく、その荒っぽさ、雑さ、その楽しさは全編にある。ストーリーはとにかく復讐をして裏をかき合った結果、皆が自滅していくというだけ。だけなのだけれど、面白かった。
観ている間の緊張感とか死に対する虚無感は一作目のほうが強くて、それはまだ、若者がくだらない事情で死んでいった結果として年長者が戦う、という上と下の対立というストーリー性が強かったからのように思う。ビヨンドは、そもそも偉い人たちがしょうもない(命がけだけど)理由で対立し・・・・もっと言うと、対立のために対立し、その結果として死んでいくので、道理も筋も熱も感情もない。一作目以上に無価値で無意味な理由で、続々と人が死んでいくのだ。
ラストシーンが終わった後の喪失感は、いったい何を観ていたのだろう、という感情に駆られるけれど、でも彼らがやっていることは非常に現実的とも思える。傑作とは思わないけれど、映画を観ることで得られた気持ちは心地よいものだった。