週に最低1本映画を観るブログ

毎週最低1本映画を鑑賞してその感想を5点満点で書くブログ。★5つ=一生忘れないレベルの傑作 ★4つ=自信を持って他人に勧められる良作 ★3つ=楽しい時間を過ごせてよかった、という娯楽 ★2つ=他人に勧める気にはならない ★1つ=何が何だかわからない という感じ。観賞に影響を及ぼすような「ネタバレ(オチなど)」は極力避け、必要な場合は「以下ネタバレあり」の記載を入れます。

『戦争のはらわた』★★★★☆

 評価に迷うところがあった。前半部分は正直あまり気持ちがノッてこず、主演のジェームズ・コバーンかっこいいなあ、ぐらいの感覚で観ていた。おそらく、主人公の感情について行けない部分が多かったからかと思う。早い段階で主人公の幻覚の描写があったり、そもそも主人公がどんな人物なのかわかりにくい部分があったり。それ以前に、彼らがどんな戦況でどんな作戦を実行しているのかが、映画だけ観ると非常にわかりにくかったりする。当時の観客からすると自明の状況だったのだろうか。独露戦についてほとんど知識がない自分が悪いのかも知れない。

 いや、でも主人公がどんな人物なのか、そもそもこの作品がどのような主題を描いているのかが、前半までだとわかりづらいのは間違いないと思う。各エピソードの繋がりも、『地獄の黙示録』なんかと比べるとかなり弱い。

 のだが、終盤にかけての暴力描写で一気に盛り上がったので、最終的には好印象、という感じの映画。やっぱりペキンパーだなあ、と感じた。もう一度見返せばもうちょっと納得しながら観れるだろうと思う。戦争映画は歴史物とはいえ、その公開時期の政治情勢に影響を受けやすいので、文脈を取りにくくなってしまうこともままある。