週に最低1本映画を観るブログ

毎週最低1本映画を鑑賞してその感想を5点満点で書くブログ。★5つ=一生忘れないレベルの傑作 ★4つ=自信を持って他人に勧められる良作 ★3つ=楽しい時間を過ごせてよかった、という娯楽 ★2つ=他人に勧める気にはならない ★1つ=何が何だかわからない という感じ。観賞に影響を及ぼすような「ネタバレ(オチなど)」は極力避け、必要な場合は「以下ネタバレあり」の記載を入れます。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』★★★★☆

 

  数年ぶりに見返しての感想だけれど、こんなに厳しくて激しい話だったか……と感じた。同監督の新作『ベイビー・ドライバー』を観た後だからである。

 以前鑑賞したときは、おバカゾンビパロディ系コメディとして観ていた気がする。実際そうなのだ。主役のサイモン・ペグのコメディアンとしての実力が高いので、かなり辛いことをしていても陰鬱な印象にならない。イギリス流のブラックユーモア満載だが、どこまでいっても陽気なのだ。

 また、『ベイビー』でもやっていたアクションの音ハメ(音楽との同期)は本作でも何度も出てくる。ロックの名曲も登場し、ひときわコミカルに使われる。それでも、物語としては実はビターだった。この後の『ホット・ファズ』『ワールズ・エンド』の中だと、『ワールズ』がひときわビターな印象だったが、実際は一作目から、かなり辛いものを乗り越えていく物語だったのだ。

 そしてエンディング(オチ)もコメディとしてみれば笑えるが、傷を乗り越えるのでも解決するのでもなく、受け入れることで生きていかなければならない、という意味合いに取れば、必ずしも笑ってばかりもいられない。