週に最低1本映画を観るブログ

毎週最低1本映画を鑑賞してその感想を5点満点で書くブログ。★5つ=一生忘れないレベルの傑作 ★4つ=自信を持って他人に勧められる良作 ★3つ=楽しい時間を過ごせてよかった、という娯楽 ★2つ=他人に勧める気にはならない ★1つ=何が何だかわからない という感じ。観賞に影響を及ぼすような「ネタバレ(オチなど)」は極力避け、必要な場合は「以下ネタバレあり」の記載を入れます。

『ディープ・インパクト』★★☆☆☆

 

  冒頭シーンは期待をあおる内容だった。丁寧にドラマを積み重ね、キャラクターを描いていく。いきなり隕石の話に突入したりはしない。じっくりじっくり、最悪の事実が明かされるまでが映し出されていく。

 

 しかし、いざ隕石落下が発表された途端、様々な要素が加速度的にぶっ飛んでいく。一部の人類だけ助けるということをあんな堂々と発表するべきなのか。世界中で起きている暴動の方がよっぽど見応えありそうだ。中学生ぐらいの男の子は突然ガールフレンドと結婚。結婚すれば地下都市に入れるからだという。そんな緩いルールだったら選ばれた独身男の元に花嫁候補が殺到しそう。そっちの方がおもしろそうだ。
 隕石を破壊しにいくクルーも出発前に不穏な雰囲気。ジジイに従いたくない血気盛んな若者の成長、というお話なのはわかるが、この数名がしくじったら世界が滅ぶのだ。こいつらはそういう事実をちゃんと把握しているのか。隕石上でも残り一時間半くらいになるまで何をやっていたのか。タイムスケジュールぐらい事前に組んでいかなかったのか。

 

 そして終盤、ヒロインが父と和解する下りも疑問だらけ。別に命がけで最後の時間を父と過ごすのは勝手にすればいいと思うのだが、安全な地下都市に向かっているはずの娘が何の予告もなく海辺に現れたのに、一瞬も驚きもせず抱きしめ、ともに死を迎えようとする父親。心が死んでいるのか。世界が崩壊するから正気を失ったのか。「どうしてこんなところにいるんだ! おまえには助かってほしかった」の流れはどう考えたって必要だろう。「父と娘の和解」という話を描きたいがあまり、大切なことをすっかりすっ飛ばしている。脚本家の気持ちが盛り上がってしまうのは致し方ないが、周りがちゃんと指摘すべきではないか。

 

 核爆弾を手作業で運び出しているところとか、もうそういうのは別に構わないと思うが、人間の心理描写に気になる部分が多すぎた。