『トリック劇場版 ラストステージ』★★★☆☆
テレビスペシャルの一部を除いて、ほぼすべて観ていると思う。そういう人間の評価なので、かなり贔屓が入っている。今回も、良くも悪くもトリックだった。最後までスタンスは変わらず。
肝心の本編についてはそれほど大きなネタもなく、霊能力者にも驚きはなく、舞台が東南アジアということもあってあまり大規模な撮影も出来ず、キャストも最小限に押さえられている印象。謎解きというほどの謎もなく、シリーズを通してのテーマが広げられるわけでもない。つまり、特に何かがあるわけではない。緩く笑える映画を観よう、と思った人間にとって、期待通りの笑いをもたらしてくれる。話によっては本シリーズはかなりビターな落ちを描くこともあるので、その後味の悪さも魅力だったりするのだが、やはりお金を取っている劇場版ではそのあたりも限界があるという感じ。
なので、今回についてはラスト三十分の展開がすべてなのかな、と思う。特に最後の最後。いっそもっと攻め込んだ終わらせ方も出来るのでは、とも思ったが、ラストシーンの上田の表情だけの芝居が、妙に心に残った。