『007 死ぬのは奴らだ』★☆☆☆☆
ロジャー・ムーアの007第1作。クレイグ・ボンドは全作品、ブロスナン・ボンドは1作、コネリーは2作観ているけれど、ワースとかなあ。
題材が荒唐無稽なのもいいし、出逢って30秒でベッドインするのも別に構わないと思う。オープニングの葬儀からの暗殺というシーンの流れも面白い。なので最初は期待して見始めたのだが、どんどん失速していく。
アイディアがそもそも足りていないのだと思う。ブードゥーネタで一本、というところは決まったのだろうが、続々とアフリカン・アメリカンの俳優が出てくるところが目新しいぐらいで、それ以上にやることが特にない。一つ一つのシーンも長すぎるし、事件そのものとの繋がりがほとんどない。ずっと間延びしているのだ。
演出もかなり下手で、盛り上がりに欠ける。音楽でごまかすぐらいすればいいのに。音楽抜きで延々ボートチェイスが続いても、やれることなどそう多くはない。まあ、この時代は怪しげなブードゥーの儀式が出てくれば受けたのだろうか。
ボンドガールがかなり美人なのと、終盤で出てきた死者の扮装が、『スペクター』冒頭シーンの元ネタだということがわかったこと、悪役の死に方に爆笑したところ(これは相当凄い)くらいしか、いいところがなかったので残念。