『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』★★★★☆
なんとか『インフィニティ・ウォー』公開までに全作品観てやろうと思って片っ端から鑑賞中。残り4本・・・・のはず。
さて、2年くらい前に一回途中まで観てなぜかやめちゃった映画なのだが、改めて頭から見返してみた。マーベル映画の中ではかなり当たりのほうの作品だった。
これだけヒーローものが乱立しているとそれぞれ「どこが違うか」が肝要になるが、本作は「負け犬たち」がヒーローになる、という部分だろう。勝ち組でも、圧倒的な能力を持っている者でもなく(そこそこの能力は持っているが)、失敗を繰り返してきた「馬鹿」たちが立ち上がり、強大な敵に立ち向かう、という物語。登場人物にカッコイイ奴は一人もいない。そもそも主人公自体、こすっからい泥棒である。
自分の都合で動く5人組が、何かを救うために立ち上がる、非常に王道のストーリー。コミカルな人物が連続し、細かいギャグも絶えない。どちらかというとファンタジー寄りの世界観だが、常に流れるオールディーズが小粋な雰囲気と、少しだけ現実の地球を感じさせてくれるので、気持ちを醒めさせることなく最後まで走りきってくれる。
特に、早々に登場人物全員を収監させて、脱獄のアクションに進めるのは、登場人物たちの状況から人物像まで手早く見せる手立てとして本当に上手い。演出も、ジョークがしつこくなりすぎないよう手早く話を進めていくので気持ちがよい。
キャラクターの配置も上手い。まずアライグマと植物という見た目でキャッチーなキャラのことを気に入らせて、実際に観ていくとヒロインや「一見気むずかしいけどマッチョで気のいいオッサン」のことがだんだん好きになっていくように仕掛けてある。主人公だけややキャラが薄いのが気になるところか。
もう一つだけどうしても気になる点として、これもキャラについてだが、「負け犬」というほど負け犬か?と感じてしまう。結構上手いこと生きてる奴とか、割りと要領いい奴とか、なんだかんだ言って強い奴とか、それほど絶望的に下の下を生きてきた奴らには感じられないのだ。
口で説明される過去を聞く限りはそれなりの苦労人が揃っているようなのだが、どの情報も口頭で説明されるだけなので、キャラクター性として印象に残らず、現時点の姿しか見られないからそのように感じられたのだろう。映像で、彼らの過去に少しでも触れられれば、より感情移入して観ることが出来たと思う・・・・その辺は、2作目以降に持ち越しなのだろうか?