『スパイダーマン:ホームカミング』★★★★★
スパイダーマン:ホームカミング ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: Blu-ray
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あと3本。
評判がいいので期待して見始めたが、今回も期待を越える作品になっていたと思う。何しろスパイダーマンの実写映画シリーズ化は3回目。リブートの回数はゴジラに匹敵する。なので、普通にやったら「またか」となってしまう要素、今まで何度も繰り返してきた要素を、どれもこれもひっくり返すことで快作に仕上げている。
キャラクターの方向性を変えてみせることで旧来のファンも驚かせつつ、ステレオタイプに陥らない人物設定に成功している(特に今後も登場するであろうヒロインのキャラ付け! ブラックパンサーのときも思ったが、日本のアニメみたいな作り方でナイス)。メイおばさんも妙齢のなんだかセクシーなお姉さんにすることで、「エロい叔母さんと同居でドキドキ」みたいなシチュエーションに。
アヴェンジャーズ本シリーズとも巧妙に絡ませて、シリーズのファンへのサービスも忘れない。ラストシーンに至っては「今!?」と笑わせてくれるあのシリーズの大オチにも繋げている。
ストーリー展開は「ザ・アメリカ映画の青春モノ」という感じで、ホームカミングパーティというのがどういう位置づけのモノなのかは今ひとつわからないものの、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も思い出す、高校のパッとしない奴がガンバル系の文脈に見事に収めている。どこをとっても腹が立つほどに巧み。
そして何より、観ていてアッと声を上げてしまったあのどんでん返しが、ヒーローもので今まで指摘されてこなかった深刻な問題を目の前に突きつけてくる。
ヒーローはヴィランを捕まえ、倒す。それは正義のため。しかし、ヴィランも当然、生きている人間であり、そこには人生がある。それを倒すとはどういうことなのか。これまで遠慮会釈なく悪漢をぶっ倒してきたアヴェンジャーズの面々が配慮していなかったポイントをさらりと突いているのが憎い。