『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』★★★★☆
残り2本。
年を追うごとにレベルが上がっていくマーベルヒーロームービーの脚本だが、この作品も続編であるにも関わらず、だれることなく質の高い内容に仕上がっていた。
無鉄砲でまとまりのない連中が集まっているガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々に対置されるのは、主人公の本当の父親。ずっと家族を探していた主人公の思いも寄らない再会。それと同時に、前作から続いて展開される登場人物たちのドラマ。それぞれのキャラクターたちは前作以上に極端で少しおバカになりながらも、魅力的に動いていく。
ヒロイン・ガモーラは強度のツンデレに仕上がっているし、ドラックスは豪快に笑うオッサンに完全になっている。アライグマのロケットは西部劇あたりに出てきそうな相方キャラクターとしてクール。そしてベイビーグルートはもう、とてもかわいい。あざとすぎるくらいだ。
ヒーロー映画としては結構変わった構成(主にヴィランの設定)なので、バトルを伴う本作のみの独立した爽快感はやや薄いが、マーベルの作品の中では、いい意味で「ザ・2作目」感のある安定したドタバタ劇が楽しめる。
本作も、上手くいったヒーローものに共通してある、明確かつクリティカルなメッセージを備えている。それは、仲間や家族、孤独と共存に関する、現代社会に対してきちんと目を配ったものだといえる。他者、相容れない別人格との共生か、それとも自分とそっくりな「クローン」しか認めず許さない自己増殖的な世界観か。言葉になるような明確な答えはないかも知れないが、物語はそれを受け手に、力強く伝えてくれている。
個人的には、大好きなあのゲストスターの出番がもっとあったら嬉しかったかな(笑)。