『マイティ・ソー/バトルロイヤル』★★★★☆
マイティ・ソー バトルロイヤル MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2018/03/07
- メディア: Blu-ray
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ついに最後の一本。
前2作が正直微妙だったソーシリーズだが、今作でようやく、正しい「雷様」の描き方が完成したように感じた。細かい笑いの挟み込み、近年のMCUで必ず入っているメッセージ性も欠かさない。愉快で見応えのある映画だった。
とにかく、ソーはマーベルヒーローの中でも特に荒唐無稽な種類のキャラクターなので、マジメに描いても面白くならない。同じく荒唐無稽・・・・というか、強すぎてまとめづらいハルク(しかもマーク・ラファロのコメディセンスも付いてくる)をセットで出すことで、気楽に楽しめるヒーロームービーであることが全体にはっきりしていて、ほぼ地球が出てこない物語にもかかわらず終始楽しめた。
悪役も、ケイト・ブランシェットの演技力も相まって魅力的。「暴れん坊」ってうっかりするとおバカにしか見えないのだが、彼女は知的で狂気に満ちたキャラを演じきっていた。イドリス・エルバは相変わらずカッコイイ。
元気で力持ちで馬鹿だけといい奴、という、本来観たかったソーの映画がようやく現れた、という感じ。そして、物語冒頭でなぜか唐突に流れたあの名曲が、きちんと意味のある伏線だったのにも満足。ドタバタ珍道中映画なので重たいメッセージ性はないが、シリーズを見続けていると想像だにしない結末が、悪役・ヘラのキャラクターと共に、納得いく形で描かれている。これもまた、社会的な問題提起もしている上に、ソーというキャラクターにとって大切な堀り深めにもなっているのだ。
つまり、「王とは何者か?」ということ。考えてみればこの物語全体も、王が奴隷に身をやつす、という昔話・神話的な流れを、極めてポップに描いていた。
これでMCUは現時点で全作品鑑賞完了。安心して『インフィニティ・ウォー』を観に行ける。お祭りは参加するに限るのだ。