週に最低1本映画を観るブログ

毎週最低1本映画を鑑賞してその感想を5点満点で書くブログ。★5つ=一生忘れないレベルの傑作 ★4つ=自信を持って他人に勧められる良作 ★3つ=楽しい時間を過ごせてよかった、という娯楽 ★2つ=他人に勧める気にはならない ★1つ=何が何だかわからない という感じ。観賞に影響を及ぼすような「ネタバレ(オチなど)」は極力避け、必要な場合は「以下ネタバレあり」の記載を入れます。

『レディ・プレイヤー1』★★★☆☆


映画『レディ・プレイヤー1』30秒予告(世界大ヒット編)【HD】2018年4月20日(金)公開

 『インフィニティ・ウォー』と併せて観ておきたかった作品。予告編のタイトルコール「れでぃー・ぷれいやー・わん(棒読み)」でだいぶ最初は萎えていたのだが(日本ではアレでだいぶ損してる気がする)、スピルバーグのSFやエンタメ系の作品(歴史系ではない作品)が好きなのでたぶんハマるだろうと思っていた。

 期待通りの面白さ。だが、やや深みには欠けるか(そういう映画じゃないから別にいいんだけど)。

 

 ストーリーとしては非常にシンプルで、隠された財宝を見つけよう、というゲームのミッション的な作品。というかそもそもゲームそのものなのだけれど。登場人物はほとんど無名の若手俳優ばかりで、彼らが冒険の末、大人から勝利をもぎ取る、という流れは『グーニーズ』を思わせる。というか、あっちにもこっちにも名作からの引用が頻発していて、にやにやしっぱなしだった。

 どんどん出てくる有名作品のキャラクターから、「ゼメキス・キューブ」という謎のアイテム(&BTTFのテーマ曲の引用)、突然の『シャイニング』への突入で劇場騒然&爆笑(ちょっとだけこれがオタク文化から異質に感じられたが、原作の『ブレードランナー』から変更があったらしい)、そしてラストバトルの盛り上がり、と熱い展開と共に、しっかりと思春期の愛を(ちょっとだけBTTFっぽい描写も交えつつ)描いていたのはさすが手練れの監督。

 

 とにかく全編を通して、スピルバーグの「若さ」を感じた。彼はもう71歳なのだ! なのにVRゲーム世界で戦い冒険し愛を築く若者たちを、CGを駆使して軽快に描き出す。ゲーム好きに監督らしいと感じたが、そう、全編通して「軽快」そのものなのである。

 最後まで鑑賞して気になってしまったのはこの1点で、このひたすらに軽快な物語で、果たして何を描き出そうとしていたのか・・・・がはっきりとしなかった。『タンタンの冒険』を観たときも感じたが、観ている間はひたすら愉快なものの、結局何を言いたかったのだろう、と考えるとよくわからない。ラストシーンで、オアシスの作者によって語られるメッセージめいたモノは正直言って取って付けたかのように唐突だった。

 え、この人がそんなこと言うの?と感じた。ここまでして非現実世界を魅力的に描いてきた最後に、老人めいたことを言ってしまうには、フリが足りていない。まあ、あまり「何かを伝えよう」という動機で作られた作品ではないのかも知れないけれど・・・・。むしろ、「現実を肯定する」という言葉は、現実の仲間たちとの友情によってこの冒険をクリアした、主人公自身によって語られるべきことではなかったのか。

 

 とはいえ、細かいことは抜きにして楽しい、ザ・娯楽映画。見つけられなかった登場キャラクターがものすごくたくさんいて(リュウはどこにいたんだろう。『ダンガンロンパ』の引用まであったらしい。海外で有名なのかな?)、またいつか観たくなる佳作だ。