『オーシャンズ8』★★★☆☆
観る予定はなかったけれど、誘われて鑑賞。筆者でも知っているサンドラ・ブロックやケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ=ボナム・カーターらが出てくるあたり、飽きずに観られる作り。ちなみにシリーズは『11』だけずいぶん前に観たが、今ほど映画を観ていない時期だったのでそれほど印象には残っていない(演出がおしゃれだったなー、ぐらい)。さらに元ネタの『オーシャンと11人の仲間』も観た気がするのだが、これも全く記憶にない。
面白かったけれど、本作もたぶん、内容忘れるだろうな、と思う。
というかそれでいいと思う。別にすべからく映画が心に傷を刻み込むような内容でなくていい。あー楽しかった、役者は綺麗だったし宝石も綺麗でパーティも凄かった、でいいのだ。皮肉でも嫌みでもなく。
ストーリー自体は「泥棒をする」というだけ。余計な要素はない。恋愛要素も別に入ってこない。シンプルなもの。集まってくるのはイカした女たち。みんなカッコいいし、とにかく作戦は上手くいく。じれったい展開で客にストレスを感じさせることは一切ない。「上手くいくのか・・・・? いかないのか・・・・?」という展開、今時客はみんな「最後には上手くいくんだろ」と思っているに決まっているのでそんなに効果ないのだ。
ただ、役者がみんな上手いので見飽きない。特にいいのはファッションデザイナー役のヘレナ=ボナム・カーター。個人的にはハリー・ポッターの演技が印象深いが、いつ観てもエキセントリックな役がが多くて笑わせてもらっている。今回もだいぶ残念なデザイナーを「いかにも!」という感じで好演。アン・ハサウェイの役作りも絶妙で、どっちかというとやな奴なのだが嫌いにはなれない。
マット・デイモンがどこかにカメオ出演する予定だったらしいが、出てきたのはたぶんホントはラストシーンだったのだろう。出ていた方が締まりのある作品になっただろう・・・・と思うが、事情が事情だけに仕方あるまい。
そしてこの手の映画で見逃せない、尋常じゃない豪華な撮影現場(本物のMETガラの会場を使用して、超高級ドレスや装飾品が画面中を埋め尽くす)できらびやかに楽しませてくれれば、もうそれでいいのだろう。
個人的にはアン・ハサウェイのキャラが面白かったので、『オーシャンズ9』も作ったらいいと思うが、莫大な制作費を回収出来ているのかよくわからないので、ここから先の展開はなんともいえないだろう。