週に最低1本映画を観るブログ

毎週最低1本映画を鑑賞してその感想を5点満点で書くブログ。★5つ=一生忘れないレベルの傑作 ★4つ=自信を持って他人に勧められる良作 ★3つ=楽しい時間を過ごせてよかった、という娯楽 ★2つ=他人に勧める気にはならない ★1つ=何が何だかわからない という感じ。観賞に影響を及ぼすような「ネタバレ(オチなど)」は極力避け、必要な場合は「以下ネタバレあり」の記載を入れます。

『三大怪獣 地球最大の決戦』★★☆☆☆

 

 子供向けに荒っぽくなっていく昭和ゴジラ映画ターニングポイント

あらすじ

一九××年。日本は異常な温暖異変に襲われていた。××放送「20世紀の神話」取材班進藤、直子は、この異常現象をテーマにキャンペーンをしようと連日大奮闘。そんなとき、金星人を自称する女予言者、サルノ王女が現れ、地球の大変動を告げた。サルノ王女の予言は当った。阿蘇火山からラドンが復活し、北極海からはゴジラが眠りからさめ行動を開始した。そして、さらに金星を死の星とした宇宙怪獣キングギドラが現れ…。(映画.comより)

 

『キング・オブ・モンスターズ』と同じ、ゴジラモスララドンキングギドラが登場する昭和のゴジラ映画5作目。元ネタ的な内容なのかな―、と観賞。実のところ、全く関係ない。ちなみに、ツイッターなどでよく見かけた、「ラドンもそうだそうだと言っています」のシーンがあるのがこの映画。

 

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 ホントにそういうシーンなのだからしかたない。

 さて、内容についてだが、残念ながらほとんど突っ込みどころしかない。何しろ怪獣が四体も登場するので(なんでタイトルが三大怪獣なのだろう)、尺が足りないのだ。

 人間ドラマの側面はもう、皆無に等しい。政情不穏な某国の姫君が現れたかと思ったら突然、自分のことを金星人だと言い張り予言を語り出すが、それも「ここに居てはいけません」の連打。もうちょっと具体性はないのか。何もかもぶっ飛んでいる。

 

 それとともになんとなく流れで小美人も登場。モスラの幼虫は登場する。そして謎の隕石の飛来。それを調べる男たち。とにかく要素が多すぎる。さらに当時の007の真似とおぼしき、謎の男たちによる襲撃と銃撃戦。ドラマなど描いている余裕などどこにもないまま、キングギドラ登場。

 そして今回最大の特徴として、ゴジラがちゃんと悪を倒すために闘う、という流れがある。1作目では思考があるかすら怪しかった異形の生命体だったのが、いつの間にやら自分の意見を表明して戦うべき相手を狙うようになっているのだからすごい。それもたった5作の間に。

 

 そもそもゴジラは何かと闘う動機が全く無い。なので何とか上手く巡り合わせてセッティングして、強引に「闘わせましょう!」とか言う人がいないと話が進まないのだが、今回はとうとう、怪獣同士で話を付けて、地球を護るために闘うという状態に。

 長野の松本城のミニチュアワークや、初登場のキングギドラの動き(登場シーンがカッコイイ)など見所がないわけではないが、話らしい話もなくむしろとっちらかっており、それを補えるような強く推したくなるポイントもこれといってない(さして特撮に見所があるわけでもない)ので、ゴジラシリーズをコンプしたい人を除いては、観るべき理由は見当たらない。