『ライフ』★★★★☆
豪華キャストによる驚くほど直球のSFサスペンス。気持ちよく楽しめる秀作
あらすじ
火星で未知の生命体の細胞が採取され、世界各国から集められた6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで極秘調査を開始した。しかし、生命体は次第に進化・成長して宇宙飛行士たちを襲いはじめる。高い知能を持つ生命体を前に宇宙飛行士たちの関係も狂い出し、ついには命を落とす者まで現われる…。(映画.comより)
非常にベタと言えばベタな作品。火星から採取した宇宙生物が宇宙ステーション内で巨大化し始め・・・・という、非常に直球なネタ。CGもまあまあよく出来ているが、圧倒的に素晴らしいクリーチャーというわけでもない。前代未聞なところがどこかにあるかというと、これといってない。
と悪口ばかり並んだが、見終えての印象はよかった。一つの理由は、俳優陣が非常に豪華であること。ライアン・レイノルズ、レベッカ・ファーガソン、ジェイク・ギレンホールと主役級がぞろぞろ並んでいる。真田広之も好演。正直言って、なんでこの面子が揃ったのか不思議なぐらい(笑)。だが、このキャストだからこそ、ベタなアイディアも説得力を持って観ることが出来る。
また、この物語で起きるサスペンスが、どこかにバカが居るから起きるのではない、というのも好印象。だいたいこの手のホラーは致命的にバカな人物が居て、その人がパニックに陥ったり問題を起こしたりしたせいで事態が悪化する、というのがあるあるなのだが、本作に関しては、常に登場人物たちはベストを尽くしている。
きちんと一つ一つの手順で、うっかりややらかしを原因にせずに事態を進展させていくのは実はけっこう面倒くさいのだが、それをちゃんとやっているおかげで興ざめせずに最後まで楽しめる。実のところ、大体の展開は途中で読めるのだが、それでも悪くなかったと思えるのはその丁寧さによる。登場人物がきちんと考えながら動いているから共感し続けることが出来る。