『ハッピー・デス・デイ』★★★★☆
直球だけれど全力で描く、アメリカらしい良作青春ホラーコメディ
あらすじ
イケてる女子大生で遊んでばかりのツリーは、誕生日の朝も見知らぬ男のベッドで目を覚ます。慌しく日中のルーティンをこなした彼女は、夜になってパーティに繰り出す道すがら、マスク姿の殺人鬼に刺し殺されてしまう。しかし気がつくと、誕生日の朝に戻っており、再び見知らぬ男のベッドの中にいた。その後も同じ一日を何度も繰り返すツリーは、タイムループから抜け出すため、何度殺されても殺人鬼に立ち向かうが……。(映画.comより)
評判は聞いていた良作だが例によってホラー苦手なのでなかなか手を出せず。いざ観賞してみると、わりとちゃんとホラーしていたがそれでも何とか観ていられるくらいで、さらにネタやテンポ、主演の芝居でバリバリ笑わせてくれる良作。
アイディアについては上記のあらすじ通り、ループもの×ホラー映画というジャンルムービーらしいもので、まずはこの一発で考え始めた作品なのだろうとわかる。映画好きの人が観ればあの名作『○○は○○○○』へのオマージュだとすぐわかるだろう。
ホラー映画で即死間違いなしのザ・ビッチ感まるだしな主人公・ツリーが、謎のマスク男に何度も何度も何度も殺されてしまう。実は本作、この主人公含め登場人物のキャラクターが非常によい。同じ行動の繰り返しになるループものではやはり登場人物に愛着が湧かないとつらいものがあるが、ここは脚本も主演の芝居もよく、飽きずに見せてくれる。
言ってしまえばメッセージ性も何もない(笑)。説教臭いことをやるのかと思いきや結局やらなかったり、という流れで90分強、笑ってビビってにやりとして、満足して映画館を出られる、「深夜にテレビでやってたらつい最後まで観ちゃう」系の作品。でも、ハリウッドの青春映画というのはそういうものであってほしいのだ。
アメリカの学生たちのノリと勢い、青春のとある日を通り過ぎて間違いなくちゃんと成長する子どもたち(日本映画のように成長したようなしていないような・・・・というまどろっこしさはない! 少年少女は成長する! 人生は前を向いて進んでいく!)。
もちろん、上述のように過去の名作への目配せを随所に忘れない、でも難しいことは1ミリも考えなくても観られる。ちなみに監督は『ゾンビーワールドへようこそ』と同じ。ノリも大体同じ(笑)。気軽に映画を楽しみたいときは是非。
そしてよろしければ、同時に続編の『ハッピー・デス・デイ 2U』も・・・・。