『ライアー・ライアー』★★★☆☆
ひたすら笑わせるベタすぎるくらいのハートウォーミングコメディ。でもこういうのいいよね
あらすじ
ウソが得意な弁護士が、息子の誕生日の願い事によって1日だけウソをつけない体になってしまったことから大騒動が巻き起こるハートフルコメディ。(amazon.comより)
期待通りの「昔懐かしハリウッド式ハートウォーミングコメディ」。ベタすぎて苦笑するところも多々あるが、でも子供の頃、好きだったのはこういう笑いだった気もする。
なにしろ主演がジム・キャリーなので、オーバーアクト連発で力業の笑いを取ってくる。ノリにノッている時期だったというのもあって芝居はキレキレだが、今の視点から見ると小っ恥ずかしい顔芸や動きも多い。とはいえそれでも笑わせてくるのはさすがだったが。
筋立てはあらすじに書いたとおりで、これ以上でも以下でもないし、このあらすじから想像するとおりのストーリーが展開される。期待は一切裏切られない。嘘をつけなくなった嘘つきがどう苦しみ、どう変化していくかが息子への愛を軸に描かれていく。
ただ、主演俳優に意地悪い要素が全然ないので、嘘つきと言っても不愉快な類いではない。むしろ愛され系でお調子者で、悪気があって嘘を吐くと言うより目の前の人を喜ばせたいがために出任せを言うタイプ。なので、『クリスマスキャロル』的な変化を期待すると肩すかしを食らうかも。
また、ネタの広がりを考えると尺が足りていないかも知れない。ファミリームービーなので100分程度に抑えたかったのだろうが、まだまだやれることは多いし、嘘をつけなくなった影響で周囲に巻き起こる事態はもっとたくさんあっただろう。
秘書との関係性なども書き込みが足りず、何が起きているのかよくわからないし、肝心の裁判もいまいち収拾つかずに終わったように感じられる。今リメイクしたら、「嘘をつけない」というテーマはかなり広がりを持たせられるだろう。大統領を主役にして、ぐらいのことを今のハリウッドならやるかも知れない(笑)。
だが、もちろん本作も悪くはない。こういうただ笑えるだけで終われる気持ちのいい映画(ポップで愉快なオーケストラBGM付き)は、最近本当に少なくなったように思う。たまにはこういう、クリスマスにでも観られそうな作品に出会いたい。
・・・・意外と平気で下ネタエロネタも突っ込んでくるので(全然えぐくはないけど)、小さいお子さんが居る場合はご注意を。