『スパルタンX』★★☆☆☆
スパルタンX エクストリーム・エディション [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2014/11/26
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (2件) を見る
しつこすぎる笑い、話の進まないアクション、好感の持てないヒロイン
あらすじ
スペインのバルセロナ。小粋な町並みを臨むパン屋の2階に下宿するトーマスといとこのデビッドは、町なかの公園広場にキッチン・カーを止め、ハンバーガーやコーヒーを売って日々暮らしていた。今日もスケートボードを軽快に乗りこなして注文を取るトーマスと、車中で料理をこなすデビッド。そんな彼らのもとにある日突然、シルビアという女性が助けを求めて逃げ込んできた……。(YAHOO映画より)
疲れ切った出張の帰り、気軽にジャッキー&サモハンのアクションを観たくて観賞。だが、残念ながら満たされることはなく。
舞台がスペインなのはいいし、悪役もヒロインもヨーロッパ系なのも全然構わない。盛り上がりそうなアクションもたっぷり入っているし、サスペンス要素も詰め込まれている。しかし、今ひとつかみ合わない。
まず、恒例のコメディ要素が今回はかなりの部分、セリフに依っているのが残念。アクションと表情で想像を超えたシチュエーションを作り出して笑わせてくれるのがジャッキー作品のチャップリン的よさになっているし、海外を舞台にしているからにはなおのことこのワールドワイドな魅力を大切にして欲しかったのに、なぜ変えてしまったのか。
肝心のアクションも空回りが続く。アクションは物語が進む内容でなければ、どれだけ派手であっても効果が薄い。本作はなまじシチュエーションをややこしくしてしまったので、今物語がどうなっているのかわかりにくいのだが、その中に配置されているアクションなので、今この闘いがどういう状況でダレと闘っていて何の意味があるのか把握しづらい。
悪役も一応登場するのだが、一番悪いヤツの印象が非常に薄い。前半に悪役の正体を伏せ続けているので、キャラを立てる尺が足りてないのだ。
何より先ほど書いたように、サスペンスとしてのシチュエーションが(無駄に)複雑でわかりづらいのが大きな難点。種が明かされたところで意外性がないのに、設定を伏せておく必要はない。
そして、ヒロインが犯罪を犯しているのも物語の魅力の薄さに拍車を掛ける。別に道徳を語るべきとかヒロインたる者罪を犯してはならないなんて事は全く思わないが、愛情を覚えないといけない対象である以上、やむをえず罪を犯しているのだ、というぐらいには思わせて欲しい。
これも尺が足りていないせいか、ヒロインがそこまでしてスリをやらないといけない理由がしっくりこないのだ。
この手の甘さが山ほどあるせいで、一見楽しげに見える本作も全然感情移入出来ないまま終わってしまった。すこぶる消化不良。他のジャッキー作品を観るか。