週に最低1本映画を観るブログ

毎週最低1本映画を鑑賞してその感想を5点満点で書くブログ。★5つ=一生忘れないレベルの傑作 ★4つ=自信を持って他人に勧められる良作 ★3つ=楽しい時間を過ごせてよかった、という娯楽 ★2つ=他人に勧める気にはならない ★1つ=何が何だかわからない という感じ。観賞に影響を及ぼすような「ネタバレ(オチなど)」は極力避け、必要な場合は「以下ネタバレあり」の記載を入れます。

『ロボット』★★★☆☆

 

  珍しくインド映画。時間の融通がついたので、3時間近い完全版を鑑賞。

 予告編で流れているのは大半、どうかしているバトルシーンばかりなので、あたかも「暴走したロボットが暴れまわるアクション映画」という印象なのだが、実はそういうシーンは一部で、全体としては「あるロボットの生涯」といった内容。

 

 ネタとしては非常に下手なロボットSFで、心を持ったロボットを扱った話として展開に新味はないのだが、肝心のロボットが「おじさん」であるということ(開発者とロボット役が一人二役で主演のラジニカーント)と、頻発するアクションの内容が次第にどうかしている内容になっていくこと、そしてインド映画なので定期的に歌とダンスが入ってくる、というところが新しさになっている。

 コメディだが、笑いは非常にベタ。ベタすぎて笑えるくらいのギャグ漫画的ネタだと思った方がいい。キャラクターはいずれもコミカルなのだが、倫理観が日本とインドでかなり異なるので、「何でこの状況でこんな行動を?」と思うようなシーンが散見される。

 

 また、上記の倫理観のズレが原因なのかもしれないが、博士とその婚約者のロボットに対する働きかけが、「なぜそんなことを・・・」と言いたくなるような時が頻繁にある。のみならず街中で普通にカップルとして振舞っている時も常軌を逸した態度を見せることが多いが、これが日印の違いに起因しているのか、それともこの二人が異常な人物というキャラクターだからなのかは今ひとつわからない。

 この二人が如何なものかと思う行動を頻発するので、ロボットに感情移入するしかないのだが、それにしてはメイン二人の人間の視点から物語が語られる。もしかすると、無生物に対する気持ちの込め方、愛情の注ぎ方が、文化的に全然違うのかもしれない。日本では「ロボットとの感情の交歓」なんてざらにあるが、向こうでは珍しいネタだから、これくらい人間とロボットの間が壁のある描き方なのかも(とはいえ2010年の映画だから、大概外国の文化も入ってきていると思うのだが)。

 

 愉快なインドアクションSFとして、友達とツッコミ入れながら見るのにはちょうどいいかも。