『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』★★★☆☆
X-MEN:ファースト・ジェネレーション [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2014/05/16
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (20件) を見る
X-MENシリーズはあまり個人的に相性がよくなく、1作目を観た後1本も観ていない。超能力系のヒーローは「何でもアリ」な印象があって、細部が納得いかないことが多いのだ。今回鑑賞したのは完全に監督目当て。『キングスマン』のマシュー・ヴォーンなら満足させてくれるんじゃないかな、と思ったのだが、期待したほどではなかった。
史実のキューバ危機にミュータントたちの戦いを重ねつつ、ミュータントたちがそれぞれの思想を抱えながら立ち上がっていく姿を描いていくのは面白いのだが、何しろ結果が決まっている史実なので緊張感が足りない。キャラクターもステレオタイプな悪役が出てきて例によってナチスなので、これも行動に緊張感がない。
とにかく人類を滅ぼしてミュータントの世界を作る、の一辺倒なので、ドラゴンボールの悪役あたりと行動原理は変わらないのだ。「普通の人間」と「ミュータント」の対立を描くシリーズなのだから仕方ないのだと思うが、『キャプテンアメリカ』の政治への踏み込みぶりを観た後だと、差別問題についてもっと取り組んでもいいように思ってしまう。
MCUは今のところ、どの作品も原作コミックスを知らない人でも楽しめるように、単品の映画としての完成度を上げることに注力していると思うが、まだこの作品はコミックスのファンに向けている印象が強かった。とにかくキャラがたくさん出てくるので、一つ一つの能力の扱い方が物足りない。「この手もあったか!」と感じられると面白いのだが、いろんなキャラが出てきて総合力で結局勝ってしまう。
あと、2011年の映画にしてはCGの出来が割りと緩いように感じるのだが、これは予算の関係なのだろうか?