『ビバリーヒルズ・コップ』★★★☆☆
ホラー映画を2週連続観た上、明日もホラー映画を観ることが確定しているので陽気な奴をいっちょ観たくて視聴。期待通りの毒にも薬にもならないが、気持ちよくなれる80年代の刑事物アクションだった。
TVCMでよく聞くエレクトロニカのメロディがこの映画のサントラだったということを今日初めて知った。誰もが聞き覚えのある曲だと思う。隙あらば流れてくるボーカル入りのロックミュージック、わかりやすい跳ねっ返りだけど腕利きの刑事が非常識ながらも進めていく捜査、派手なカーアクション、住宅街で遠慮無く後先考えず繰り広げられる銃撃戦、とこれでもかと詰め込んであるが、主演のエディ・マーフィのキャラクターが魅力的なのでうんざりすることはない。珍しいのは、安っぽい色恋沙汰シーンがなかったことぐらいだろうか。
この時代、アフリカ系アメリカ人がアクション物の刑事の主人公、というのがどれだけ新しくて喜ばしかったのかは今となっては想像することしか出来ないが、主人公のキャラクター造形は軽妙かつ切れ者、という今観ても実に気持ちのいいもの。
『探偵はバーにいる』の大泉洋と同様の、話の筋よりキャラでもたせられるタイプである。個人的には、主人公をサポートするふたりの刑事のキャラ、口ひげのオッサンとおバカでミーハーな若者、というタッグは、『名探偵モンク』の刑事二人の元ネタなのかな、と感じた。
ストーリーそのものはぼんやりジムで自転車をこぎながらでも十分理解出来るほどシンプル。先の展開はほとんど読める。解決する事件もそう大した物じゃない。それでも、現代のように家に帰ってからネットでストーリーに隠された意味を探らないと奥の奥まで読み切れないような作品ばかりでなくともいいだろう。
しかし、これでシリーズ3作目までやるのか・・・・? と一体何をやるのか正直疑問には感じる(笑)。寅さんのようなものだろうか。